(まえのおはなし) お題 シフ・エルデリン様 【シ】 白い入道雲が山際にむくむくとわきあがっている。 空はあくまでも青く高く、太陽は容赦なくグラウンドを照らす。 なんだかいつもよりも暑いんじゃないか、そんな気がする。 「夕立とか来ないよな」 最近雷多いよな、木陰で弁当を食べつつそんな心配をする。 「花火って雨天決行?」 夏祭り自体は中止にならなくても、雨だと花火はなくなるかも。 午後の部活はみな上の空でそう、空ばかり気にしてた。 【エ】 駅に電車がつくと浴衣姿の男女がどっと吐き出される。 海岸沿いの国道を進んでゆく人影を避けて、一本裏の道をひたすら走る。 すでに日は落ちて、だんだんとあたりが薄暗くなってくる。 (つぎのおはなし) TOPへ戻る |